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2015年度若手研究者育成プロジェクト 最終報告会を実施しました(@ストックホルム大学)

2016.03.05

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学校教育高度化センターでは、若手研究者の支援を目的として、教育学研究科博士課程の大学院生を対象に年1回研究プロジェクトを公募の形で募集し、多様な観点からの研究の実施を支援しています。今年度は昨年度に引き続き「グローバル時代の学校教育」をテーマとして、5つのプロジェクトへの研究助成を行っています。

昨年度に引き続き、教育学研究科が学術交流協定を結んでいるストックホルム大学教育学部と国際シンポジウム「Education in the Era of Globalization: Towards the Realization of Sustainable Future」において、2月24日に研究プロジェクトの最終報告会行われました。

ストックホルム大学、東京大学ともに留学生も含めた多様なバックグラウンドの参加者が交流し、研究分野やその手法も異なる学生が、「グローバル化時代の教育」という大きなテーマに基づいた議論を行いました。参加者の多くが英語を母国語としない学生でしたが、発表や質疑応答は全て英語で行われ、国際シンポジウムで英語で発表する貴重な機会となりました。

以下は研修で発表した教育内容開発コース修士2年大林徹也さんの体験談です。

私自身も海外での発表に挑戦したいという想いからスウェーデンでの最終報告会への参加を希望しました。半年以上にわたって進めてきた研究内容を10分程にまとめ英語で発表を行うことは容易ではなく、特に質疑応答の場面においては臨機応変に返答することが求められるため、とても緊張して臨んだのを覚えています。また、日本の学校教育の状況を前提にするのではなく、それをもわかりやすく説明しなければならないことは予想以上に困難であり、国際研究発表故の難しさを痛感しました。

しかし、何よりもその場にいらっしゃった方々が相手の話していることを丁寧に聴こうとしてくださり、そのことが発表の拙い部分を補い、母語や研究分野を越えた議論を可能にしてくれました。自らの発表を反省し改善することはもちろん必要なのですが、聴き合う姿勢の大切さを学ぶことができたそんな発表会でした。今回の国際シンポジウムのテーマでもある「持続可能な未来の実現」も、こうした一つ一つ異なる背景をもった人々の声に耳を傾けるところから始まるのではないか、ということを私は今回の発表を通して身をもって学びました。

なお、スウェーデン研修(2月23日~25日)においては研究発表のみならず、ストックホルム大学院生による大学紹介・市内案内や、小学校への訪問も併せて行われました。大学紹介や市内案内ではストックホルムや大学の様子を伺い知るだけではなく、ストックホルムの学生とお互いの生活や学校教育の現状について話すことができ、交流を深めることができました。また、学校訪問では校長先生のお話から一人ひとりの教師と一人ひとりの子どもに対して手厚い援助がなされている様子が伝わってきました。なお、本研修は「グローバル・リーダー育成スウェーデン研修プログラム」とも合同で行われ、普段あまり交流のない学内の学生同士が出会う貴重な場ともなりました。

全体を通して天候にも恵まれ、次に国際的な研究発表や議論を行うときにはこのスウェーデン研修での経験と学びが生かされていくことになることを確信させるような非常に充実した研修となりました。

今回の研究成果は、まずは当センターのワーキングペーパーとしてまとめられ公開される予定です。今後この経験を生かして、海外の学会での発表、学会誌への論文投稿へとつなげていってほしいと思います。

本研修の様子は、ストックホルム大学のホームページ上でも紹介されています。

ストックホルム大学による本研修の報告

 

最終報告会での英語発表に向けてアドバイスをしてくださった国際交流室のBrianさんからメッセージをいただきました。

 

(文責:教育内容開発コース修士2年 大林徹也、センター特任研究員 草彅佳奈子)