在校生パネル調査

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在校生パネル調査

調査の概要

在校生パネル調査は、附属中等教育学校の生徒たちが在学中に毎年度行われるものです。附属中等教育学校の特徴である総合的な学習への取り組みが、生徒たちの価値観や探究的な態度、市民性の発達に対しどのような影響を持ちうるのかを検討するために、学校教育高度化・効果検証センター 効果検証部門と附属中等教育学校が連携し、2016年度より継続的に実施しています。

 

これまでの調査結果
在校生の生徒たちの意識
  • デモグラフィックデータ

2016年度の第1回目調査では、いずれの学年も110名程度の在校生の皆さんにご回答いただきました。

 

  • 総合的学習への興味

いずれの学年においても、各総合的学習に対して7割程度かそれ以上が「興味を持って取り組んだ」と回答しました。

また、総合的学習を「好き」と回答した生徒の割合は、他の教科における「好き」と回答した生徒の割合よりも比較的高い傾向が見られます。したがって、総合的学習が生徒の興味を引き出す科目であることがうかがえます。

 

  • 各学年における総合的な学習での具体的な活動

総合的学習は、既存の資料からの情報収集による学習、自分自身の経験を通した学習、他者の経験やその分野に精通した人物の見聞を通した学習、他者との相互作用による双方向的な学習など多岐にわたります。いずれの学習形態においても、各学年および各総合的学習の内容を通して多くの生徒が積極的に従事してきたことがうかがえます。

既存の資料からの情報収集は、いずれのツールも高い割合で使用されており、各総合的学習において積極的になされる学習形態であることがうかがえます。特に「インターネットで調べる」ことを行ったと回答した生徒の割合はいずれの学年においても高いことが読み取れます。この結果から、多くの生徒が現代の情報化社会に特徴的なツールを駆使して積極的かつ効率的に情報収集をしていることがうかがえます。

自分自身の経験や体験もまた、いずれの学年であっても「おこなった」と回答した生徒の割合が高いことから、積極的になされる学習形態であることが読み取れます。特に、3~4年生における「実習、実験、制作、体験活動などを行う」は8割を超える生徒が「おこなった」と回答しました。

他者の経験やその分野に精通した人物の見聞を通した学習、つまり、他者に話を聞くことによる学習について、いずれも多くの生徒が「おこなった」と回答したことから、自身が経験したこととは異なる視点に基づく学習も積極的になされていることがうかがえます。ただし、1~2年生では専門家やその分野に精通した人物から意見を聞くことによる学習が比較的少ないことも読み取れます。これは1~2年生での総合的学習の内容が専門性に関わるものというよりも、むしろ自分自身の身の回りについての体験を主体とするものであることの結果であると考えられます。

多くの学習では相互に意見を表明しディスカッションすることが深化を促進することが指摘されています。特に、総合的学習では他の教科と異なり、他者との相互作用による学習は重要な位置づけです。このような双方向的な学習もまた、多くの生徒が「おこなった」と回答しました。ただし、5~6年生において「テーマを考えて話し合って決める」は6割弱の生徒が「おこなった」と回答したものの相対的に低い割合であることが読み取れます。この点について、5~6年生の総合的学習の内容である卒業研究がこれまでの学習を基盤とするものであるため、1~4年生までの学習を通しておのずとテーマが定まってきていることが原因の1つとして考えられます。

 

  • 総合的な学習の主観的な効果

総合的学習による本調査で測定した学習効果について、いずれも7割弱から9割程度の生徒が「他の教科に比べて効果がある」と回答しました。特に、「与えられた情報から自分なりに考え、判断する力を身につけること」「いろいろなメディアから情報を得て、問題解決に活かす力を身につけること」はいずれの学年においても8割を超える生徒が「他の教科に比べて効果がある」と回答しました。つまり、さまざまなツールを駆使した情報収集能力や、そのような情報を自分自身で能動的に解釈した上で問題解決や意思決定をする能力の向上が促されるものであると考えられます。

 

在校生の保護者の方々の意識
  • デモグラフィックデータ

調査にご協力いただいた保護者の皆さまの子どもとの続柄は、母親が80%、父親が20%でした。また、保護者の皆さまの年代は40代が7割を占め、50代以上と30代が残りの3割を占めました。

 

  • 子どもの東大附属への進学を考えた際の期待

半数以上の保護者が重視した事柄を図11にまとめました。「中高一貫教育である」が最も高く、続く「思考力・表現力・コミュニケーション力などこれからの社会で重視される力を育ててくれる」、「学校の教育方針や校風が良い」はいずれも8割以上の保護者が重視した点でした。また、「生徒の自主性や主体性を育ててくれる」、「特色あるカリキュラムや授業がある」、はともに7割以上の保護者が重視しました。特に、社会で生活するための思考力・表現力・コミュニケーション力および自主性や主体性を育てることは、総合的学習の中心的な狙いであり、保護者の方々もそのような点を重視し期待されていることがわかります。また、このような力を育てるために長期にわたる継続的な総合的学習が不可欠であり、それを可能にする中高一貫教育が重視されたものと考えられます。さらには、総合的学習による学習内容がより実質的な意味を持つために必要な、具体的なカリキュラムや協働的な学びの導入、およびその根源的な理念となる教育方針に期待し、重視されたと考えられます。