秋場素子教授による公開レクチャー
中学校教員の労働時間と仕事に関するストレスと満足度―日米比較研究
Middle School Teachers’ Workload, Stress, and Job Satisfaction:
A Comparison between Japan and the U.S.
概要
教員の過剰な労働時間は日本とアメリカにおいて問題視されているのにも関わらず、実際に教員がどのような役割や任務に時間を費やしているのか、またそうした時間配分が仕事に関するストレスや満足度とどのように関連しているのか、まだよく知られていません。この研究では、OECD国際教員指導環境調査(TALIS)のデータを使い、中学校教員の働き方の日米の類似点と相違点を明らかにしました。さらに、両国において事務作業に費やす時間がストレスと不満足度と関連しているという結果がでました。日本では、さらに成績付けと部活動指導の時間がさらなるストレスと不満足度と関連していますが、教員研修に費やす時間はストレス減少と満足度上昇に繋がることがわかりました。アメリカにおいては、学校経営と教師間のチームワークに費やす時間がストレス減少と満足度上昇と関連しているという結果が出ました。この結果に基づいて、教員の労働条件に関する比較研究では、それぞれの国の学校の環境と教員の文化的役割を詳しく調べることの重要性を議論します。
日時
2025年7月3日(木)17:00-18:30
場所
本郷キャンパス教育学部棟1階158教室
実施形式
ハイブリッド開催
オンライン参加をご希望の方にはお申込み後の返信にてURLをお知らせいたします。
費用
無料
言語
日本語
講師
秋場素子 教授
フロリダ州立大学教育リーダーシップ政策学部
Prof. Motoko Akiba
Department of Educational Leadership & Policy Studies
Florida State University
経歴
秋場素子教授は、2001年にペンシルバニア州立大学にて「教育理論と政策」と「国際比較教育」の分野で博士号を所得しました。秋場教授の研究専門分野は、教員に関する政策と国際比較教育政策です。秋場教授は茨城県出身で筑波大学教育学部を卒業しました。博士号所得後、秋場教授はミルズ大学のポスドク研究員としてカルフォルニアの学校での授業研究のプロジェクトに関わり、その後アメリカ連邦政府教育省の一部であるMcRELという教育地方研究所にて研究部長として勤めました。その後、ミズーリ大学の助教授として勤め、フロリダ州立大学には2012年に準教授として移動しました。様々な役職に就きリーダーとして貢献し、2019年から2021年には学部長を勤めました。現在はアメリカ教育研究学会の名門教育学会誌であるAmerican Educational Research Journal (AERJ)の総括編集長として勤め、学生編集者プログラムや海外の研修者に対するウェビナーを含める様々な企画を行っています。
参加申し込み
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c-kodoka(アットマーク)p.u-tokyo.ac.jp
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