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【初等中等教育における探究学習への支援プロジェクト】 中学生の児童労働についての探究学習に、文化人類学研究室の関谷雄一先生がアドバイスを行いました

2025.07.11

東京大学大学院教育学研究科附属学校教育高度化・効果検証センター(CASEER)では、「初等中等教育における探究学習への支援プロジェクト」において、児童生徒の発意や関心に基づく探究学習に対して専門の研究者が的確なアドバイスをすることにより、探究の成果をいっそう高度で充実したものとすることをねらいに、東京大学の教員もしくは大学院生がオンラインを通じて支援・指導を行っています。

今回は、埼玉県の中学2年生 Iさんの「児童労働について」の探究学習を通して出てきた疑問や悩みに、文化人類学研究室の関谷雄一先生がアドバイスしました。以下に、ダイジェストを紹介いたします。

 

 

  • 探究のテーマ: 「児童労働について」
  • 相談者:Iさん(中学2年生)
  • 探究学習の取組単位:個人
  • アドバイスした人:東京大学文化人類学研究室 関谷 雄一教授

専門:開発人類学、応用人類学、農村・社会開発、

震災復興、地域創生、人間の安全保障、アフリカ、日本

関谷先生のページへ

  • コーディネーター:教育学研究科 本田 由紀教授(CASEERセンター長)

 

 

Iさんのご相談

 

みんなが知っているかもしれないことでも、あなたがまとめて自分の言葉で周りの人に伝えることに意味がある
Series1. 児童労働について

 

 

Iさん:

私は学校の探究の時間で、児童労働をテーマに探究を進めています。私はこの探究で、働く子どもたちがいなくなる社会を実現するために、児童労働の事実を広め、児童労働を見て見ぬふりをする社会の風潮を変えるということを学習目標に設定しているので、今日は、実際に児童労働が行われているアフリカの地域など、その問題が起こっているところに行って活動している人の声などを聞かせていただきたいなと思っています。また、日本でも児童労働はあるのかについてもうかがいたいです。

 

関谷先生:

実は、事前に送っていただいた質問を拝見して、私の方でそれに答えられるような簡単な資料を用意したので、まずはそれをご覧いただきながらお話を進めていきたいと思いますが、よろしいですか?

 

Iさん:

はい、お願いします。ありがとうございます。

 

 

 

関谷先生:

私の専門は文化人類学なんですが、30年ぐらい前に、今はJICAボランティアという名前になっていますが、当時は青年海外協力隊という仕事で2年と6カ月、西アフリカのニジェール共和国というところに行って木を植えていたんですね。そこでは農村の子どもたちと一緒に遊んだり寝食を共にしたりしていたので、その時の思い出もちょっと含めて、このプレゼンを作っています。

 

関谷先生からの「児童労働」についてのレクチャーを含む記事全文は、こちらからお読みいただけます。(PDFダウンロード)

 

Iさん:

(関谷先生のお話を受けて)本当に、その大人と子どもの境目がはっきりしていないっていうのは、調べていく中でもすごく思っていたことでした。
例えばその子が望んでいたら児童労働にならないのかとか、定義が難しいなってすごく感じました。

 

関谷先生:

そうですね。例えば徒弟制度についても、アフリカの子どもたちは、お年寄りに認められることや大人として扱われることをとても重要なことだと捉えていて、学校の先生に褒められることよりも、そういったことで自分の生き方に自信を持ったりする、そういうプロセスがあるんですね。
そういった、生きがいとして行う仕事のことをディーセントワークと言うんですが、私のかつての学生で、今は労働基準監督官になっている人の修士論文のテーマが、まさにその「子どものディーセントワークをどう考えるか」というものでした。その学生の出した結論は、子ども自身が生きがいだと感じられるような仕事であれば、やってもいいんじゃないか? というもので、私は素晴らしいと思って読んだんですけれども、これに対しては色々な見方があって、それはやっぱり子どもの人権を妨げるのではないかとか、先生方の間でも意見が割れました。それだけ難しい話なんです。
私自身も、アフリカの農村にいた時、恥ずかしながら自分のシャツなどを近くの川で子どもに洗ってもらっていたんですね。水汲みも村の女の子がやってくれていて、もちろんそれに対する対価は払っていたんですが、あれを児童労働だと言われると、ちょっとまずいなと思っていて。
要するに農村ではそれが自然になされているわけなんです。
農村の子どもたちにとっては、大人のために家事を手伝うことは、非常に自然なことで。でもそれがエスカレートしていくと、例えば親の代わりに町に働きに行かされる、などということになってしまう。だから、気をつけていないと子どもらしい生き方を奪われてしまうというのは、本当にそうなんです。
じゃあどうすればいいのかということなんですけれども、先ほどご紹介したILOとUNICEFの報告書の中では2つポイントが挙げられていて、1つは制度的な教育の徹底なんです。 やっぱり子どもはなるべく学校に通わせるということ。
学校に通っている時間は働けないわけですから、毎日真面目に学校に通ってもらって、一定の時間勉強をすることで、できれば高等教育につながるようなキャリアパスに進んでくれるというのが、望ましいということ。
もう1つは、社会の中で子どもが働く環境をなるべく作らないように、大人たちが子どもを見守りながら、そういう仕事を与えないこと。貧しいから子どもも働かないと食べていけないという理屈もありますが、必ずしも食うに困ってやっているわけではないケースも多々あります。そういう状態の子どもをできるだけなくしていくことが大事です。

 

Iさん:

そうすると、結局、法律とかそういう話になってきますよね。

 

関谷先生:

そうですね。基本的には法律がしっかりしていれば、それに基づいてこの仕事はやっていい・これはダメとか、子どもにはちゃんと義務教育を受けさせるといったことができるはずなんですが、ご存じの通りアフリカのような貧しい国では、その制度自体がしっかりしていないので、法律で大人と子供をはっきり区別して、子どもには教育を受けさせるということがなかなか難しい状況もあります。また、法律や制度が整っていても、例えば学校からドロップアウトしてしまったり、不登校になったり、いろんな形で学校に行けない子どもたちが行き場を失ってそういう仕事に手を出してしまうといったこともあるわけですよね。だから法律や制度を整えたからといって、必ずしもそれだけでうまくいくわけではない。
どうしたらいいんでしょうね。 難しいですね。
私は、先ほども少し申し上げたように、やっぱり社会がそういうことに関心を持つことということが一番大事なのかなと思います。 正しい答えはすぐに出ないけれども、みんなで一緒に児童労働について考えてみようっていう場を作ること。 それはとっても大事だと思います。日本の若い人で、児童労働のことを知っている人は、そんなにいるわけじゃないと思うので。
あと、日本ではどうなのかというところに、Iさんが興味を持ってくださったこともとても大事で、日本でも、やっぱりそういうことが起きているんですよね。実際に、大変な状況に追いやられている子どもたちがいるわけなので、そういったことも多くの人に知ってもらうべきだと僕は思います。

 

Iさん:

その、みんなに知ってもらうためのポスターに掲載する内容が、まだあまり定まっていなくて。児童労働の現状を伝えることが目的で、形としては、現地の状態を知っている方のインタビューを掲載したり、今おっしゃっていただいた、児童労働のどんなことが問題で、どういうところが難しいのかといったことを掲載しようと思っています。ただ、児童労働の何が悪いかっていうところが、しっかり定まってないというか、わからないところがあるじゃないですか。なので、それをどういうふうに伝えればいいのかが、難しいなと思っています。

 

関谷先生:

そこは、難しいですね。ポスターは1枚なんですか?

 

Iさん:

はい、1枚を考えてます。

 

関谷先生:

なるほど、まず1枚という限られたスペースに何の情報を盛り込むかっていうのは、私たち研究者の世界でも、一番苦しく悩むところなんです。いろいろ調べると、あれもこれも大事みたいに思うんですけど、そういう時に私だったら、「何を一番伝えたいか?」っていうところから考えると、自ずとポスターの書き方っていうのが定まってくるのかなと思います。そのポスターは誰に見せるんですか?

 

Iさん:

学校の生徒に向けて見せるんですけど、全体の計画としては、学校でまずこのプロジェクトに協力してくれる人を募って、Teamsを使ってグループチャットを開いているので、そこで意識調査アンケートをしようと今作成中です。 まずは意識調査アンケートとテスト形式の筆記調査アンケートを行なっておいて、作成したポスターを見せた後に、もう一度同じアンケートをとって、どれぐらい理解度が深まるかという比較もやろうと思っているんですけど、そのテスト形式のアンケートを実施するってなったときに、やっぱり明確な答えが出てないとダメだなって思って。

 

関谷先生:

児童労働に関しては、わからないこともあるけれども、はっきりしていることもあるわけですよね。例えばILOの規定では、軽度な家事労働は認めている。一方で、劣悪な環境の中での労働というのは認めていない。そういった〇×とかで質問を組み立てていくと、案外面白いクイズになるかもしれないですね。 また、Iさんから最初にいただいた相談では、児童労働はやっぱり撲滅しよう!という話だったと思うんですが、僕が知る限りにおいて、それはとても難しいんじゃないかなと思います。 難しい理由はいろんな次元で言えるんですけど、だからこそ、児童労働を全てなくすことはできない? みたいな問いかけをすると、人は色々と反応してきますよね。僕だったらそういうクイズを作るかもしれないですね。
あとは、とっても大変な作業かもしれないけど、レクチャーの中でご紹介した参考書籍の中には、かなり当事者の声が入っています。なので、そういうものも参考にしていただくと、よりリアリティのあるクイズを作ったりできるんじゃないかなぁと想像しています。

 

→  続きはこちらからお読みいただけます(PDFダウンロード)

 

 

 

支援ミーティングを終えて

 

Iさんより:

専門家である教授と直接お話できたことで、日本国内の児童労働について知ることができ、インターネットではなかなか知り得ることができない情報を得ることができました。また、自分の成果物において、本当に良いものなのか自信がなかったのですが、教授に後押ししてもらえたことで自信を持てました。これからもこの経験を生かし、探究に励みます! ありがとうございました。

 

関谷先生より:

『児童労働』という難しい課題に日本の中学生が独学で取り組む姿に心を打たれました。難しい課題でも、時間をかけて考察していくうちに、いつか解決に繋がる光が見いだせるのではないかと思います。 その考察の過程を大切に、ぜひ頑張ってください。

 

 

 

 

 

 

高等学校において 生徒の「個人研究型探究学習」を 指導する教員の研修プロジェクトを 始動しました!

2025.07.01
教育学研究科附属学校教育高度化・効果検証センターが高校教員の探究指導力向上を支援します

東京大学大学院教育学研究科附属学校教育高度化・効果検証センター(CASEER)は、東京大学教育学部附属中等教育学校(以下、東大附属)およびスタンフォード大学フリーマン・スポグリ国際研究所国際・異文化教育プログラム(SPICE)と連携し、高等学校における生徒の「個人研究型探究学習」を指導する教員の育成開発を行うプロジェクトを開始しました。本プログラムは、三菱みらい育成財団の助成を受け、生徒が自ら問いを立て主体的に学ぶ「個人研究型探究学習」を指導できる教員を育成し、日本全国の高校教育現場に探究文化を根付かせることを目的としています。 

 

背景

近年、日本の高等学校で「個人研究型探究学習」を取り入れる動きが拡大していますが、指導者不足が課題となっています。生徒の主体性を引き出すためには、教員が知識を与えるだけでなく、生徒の問いに寄り添い伴走する姿勢が求められます。しかし、現行の教職課程や研修ではそうした探求学習の指導が十分にが扱われていないのが現状です。

  

プロジェクト概要

本プロジェクトでは、協力関係のある高校約5校、教員約50名を対象に、以下の3つの支援を行います。CASEER、東大附属、SPICEの三者が連携し、教師や学校が自律的に探究学習の指導に取り組むことができるような仕組みを提供し、長期的には、本プロジェクトを全国に広げていくことも射程としています。

  

1. 対象校の探究指導の課題の把握・整理

各学校のカリキュラム、教員の時間、指導目的などから、どうすれば個人研究型探究学習がより豊かで有意義なものになるかを検討します。

 

 2. 東大附属・SPICEの実践見学と議論

探究学習における先駆的実践校である東大附属の事例を見学・議論するほか、各校ごとの探究指導課題に即したオーダーメイドの支援を行います。

 

 3. ピアメンタリング・スキルアップトレーニング

東大附属やSPICEを中心に、個人研究型探究学習の指導経験者による参加教員へのピアメンタリング等を通じて、個人研究型探究学習に必要な知識やスキルを高めるトレーニングを提供します。

 

 

問い合わせ先

学校教育高度化・効果検証センター
メールアドレス:c-kodoka(アットマーク)p.u-tokyo.ac.jp

2025年度若手研究者育成プロジェクトの募集を開始しました【学内向け】

2025.04.02

学校教育高度化・効果検証センターでは、若手研究者の支援を目的として、教育学研究科博士課程の大学院生を対象に年1回研究プロジェクトを公募の形で募集し、多様な観点からの研究の実施を支援しています。
今年度は「教育が直面する課題をあぶり出す」をテーマとした研究プロジェクトを募集します。

ポスターをダウンロード

2025年度 募集要項

2025年度 応募用紙および執筆要領

リンクからダウンロードしてください。

学生支援チーム(大学院担当)のウェブサイトからもアクセスできます。

 

バックナンバーはこちら

 

 

 

研究応募内容

「教育が直面する課題をあぶり出す」に関する内容であり、独自性をもった学術共同研究および個人研究

*詳細は応募要項を参照してください。

 

応募資格

東京大学大学院教育学研究科に在籍する博士課程大学院生(休学中の者は除く)

 

研究期間

2025年6月より2026年3月まで

 

研究助成金額

申請額は個人20万円、グループ40万円を上限とする

 

成果報告

最終報告会での発表

およびワーキングペーパーの執筆

 

研究応募期間・提出先(締切延長しました!)

5月14日(水)17時までにc-kodoka(アットマーク)p.u-tokyo.ac.jpに提出

※詳しくは、学生支援チーム(大学院担当)のウェブサイトまたは学校教育高度化・効果検証センターのウェブサイトの募集要項・応募用紙を確認してください。

※今年度の特例として押印、署名不要だが、指導教員の同意を得た上で、申請書類の送付時に指導教員のメールアドレスをCCに入れること。

 

 

 

問い合わせ先

学校教育高度化・効果検証センター助教 須藤

メールアドレス:c-kodoka(アットマーク)p.u-tokyo.ac.jp

東大附属パネル調査2025年度分析協力者募集【学内向け】

2025.04.01

2022年度より、学校教育高度化・効果検証センター効果検証部門では教育学研究科の院生を対象にした新たな研究プロジェクトを開設いたしました。

プロジェクトの背景

教育高度化・効果検証センター効果検証部門では、東京大学大学院教育学研究 科附属学校データベース管理運営委員会と連携し、附属中等教育学校の教育効果検証を行うために、データベースを活用した研究を進めています。

プロジェクトの目的

上記、データベースを活用して、関心あるテーマの分析を行い、年度末のセンター紀要への論文投稿を目指します(研究期間は2025年7月から2026年1月)。分析・執筆の進捗状況によっては学会誌への投稿も可能です。

[これまでの成果:2022年度・2024年度センター研究紀要3本、2023年度学会発表・査読付学術誌1本]

応募資格

学校教育ならびに計量分析、教育効果検証に興味・関心があり、自立して研究を遂行できる教育学研究科の修士課程・博士課程(若干名)とします。なお、パネル調査のデータを使用するため、統計解析を行った経験がある人を望みます。

応募方法

2025年5月上旬に説明会(Zoom)を開催し、申請書の提出(5月下旬)、選考結果の通知は6月下旬となります。申請書の内容によって採否を決定いたします。当プロジェクトにご興味がありましたら、説明会の日時ならびにZoomのURLを配布いたしますので、下記担当までご連絡ください。なお、申請書はリンクからダウンロードしてください。

2025年度スケジュール(予定)

4/1(火)効果検証部門院生プロジェクト募集開始
5/7(水)プロジェクト説明会(Zoom(12:15~12:45):日程変更可能性有)
5/30(金)プロジェクト応募〆切
6/18(水)審査結果通知
6/25(水)採択者ガイダンス
7/1(火)研究開始
1/30(金)論文提出〆切

研究応募期間・提出先

5月30日(金)17時までにgsproject(アットマーク)p.u-tokyo.ac.jpに申請書を提出
必ず指導教員の同意を得た上で、申請書類の送付時に指導教員のメールアドレスをCCに入れること

備 考

予算の都合で、昨年度と同様に、謝金をお支払いできるかは未定となりますので、ご留意ください(詳細は説明会にて)。また教育学研究科以外の所属で当プロジェクトにご関心ございましたら、下記、担当までご連絡ください。なお、これまでにお問い合わせあった内容についてはこちらをご参照いただければと思います。

問い合わせ先

担当:効果検証部門 特任講師 上野 雄己(うえの ゆうき)
メールアドレス:gsproject(アットマーク)p.u-tokyo.ac.jp

2024年度若手研究者育成プロジェクトの募集を開始しました【学内向け】

2024.04.01

学校教育高度化・効果検証センターでは、若手研究者の支援を目的として、教育学研究科博士課程の大学院生を対象に年1回研究プロジェクトを公募の形で募集し、多様な観点からの研究の実施を支援しています。
今年度は「教育が直面する課題をあぶり出す」をテーマとした研究プロジェクトを募集します。

募集ポスターをダウンロード

2024年度若手研究者育成プロジェクト募集要項2024年度院生プロジェクト応募用紙リンクからダウンロードしてください。

学生支援チーム(大学院担当)のウェブサイトからもアクセスできます。

研究応募内容

「教育が直面する課題をあぶり出す」に関する内容であり、独自性をもった学術共同研究および個人研究

*詳細は応募要項を参照してください。

応募資格

東京大学大学院教育学研究科に在籍する博士課程大学院生(休学中の者は除く)

研究期間

2024年6月より2025年3月まで

研究助成金額

申請額は個人20万円、グループ40万円を上限とする

成果報告

最終報告会での発表

およびワーキングペーパーの執筆

研究応募期間・提出先

5月8日(水)17時までにc-kodoka(アットマーク)p.u-tokyo.ac.jpに提出

※詳しくは、学生支援チーム(大学院担当)のウェブサイトまたは学校教育高度化・効果検証センターのウェブサイトの募集要項・応募用紙を確認してください。
※今年度の特例として押印、署名不要だが、指導教員の同意を得た上で、申請書類の送付時に指導教員のメールアドレスをCCに入れること。

問い合わせ先

学校教育高度化・効果検証センター助教 岩渕

メールアドレス:c-kodoka(アットマーク)p.u-tokyo.ac.jp

東大附属パネル調査 2024年度分析協力者募集【学内向け】

2024.04.01

2022年度より、学校教育高度化・効果検証センター効果検証部門では教育学研究科の院生を対象にした新たな研究プロジェクトを開設いたしました。

プロジェクトの背景

教育高度化・効果検証センター効果検証部門では、東京大学大学院教育学研究 科附属学校データベース管理運営委員会と連携し、附属中等教育学校の教育効果検証を行うために、データベースを活用した研究を進めています。

プロジェクトの目的

上記、データベースを活用して、関心あるテーマの分析を行い、年度末のセンター紀要への論文投稿を目指します(研究期間は2024年7月から2025年1月)。分析・執筆の進捗状況によっては学会誌への投稿も可能です。

[これまでの成果:2022年度センター研究紀要2本、2023年度学会発表・査読付学術誌1本(現在審査中)]

応募資格

学校教育ならびに計量分析、教育効果検証に興味・関心があり、自立して研究を遂行できる教育学研究科の修士課程・博士課程(若干名)とします。なお、パネル調査のデータを使用するため、統計解析を行った経験がある人を望みます。

応募方法

2024年5月上旬に説明会(Zoom)を開催し、申請書の提出(5月下旬)、選考結果の通知は6月下旬となります。申請書の内容によって採否を決定いたします。当プロジェクトにご興味がありましたら、説明会の日時ならびにZoomのURLを配布いたしますので、下記担当までご連絡ください。なお、申請書はリンクからダウンロードしてください。

2024年度スケジュール(予定)

4/1(月)効果検証部門院生プロジェクト募集開始
5/8(水)プロジェクト説明会(Zoom(12:15~12:30):日程変更可能性有)
5/31(金)プロジェクト応募〆切
6/19(水)審査結果通知
6/26(水)採択者ガイダンス
7/1(月)研究開始
1/31(金)論文提出〆切

研究応募期間・提出先

5月31日(金)17時までにgsproject(アットマーク)p.u-tokyo.ac.jpに申請書を提出
必ず指導教員の同意を得た上で、申請書類の送付時に指導教員のメールアドレスをCCに入れること

備 考

予算の都合で、昨年度と同様に、謝金をお支払いできるかは未定となりますので、ご留意ください(詳細は説明会にて)。また教育学研究科以外の所属で当プロジェクトにご関心ございましたら、下記、担当までご連絡ください。なお、これまでにお問い合わせあった内容についてはこちらをご参照いただければと思います。

問い合わせ先

担当:効果検証部門 特任助教 上野 雄己(うえの ゆうき)
メールアドレス:gsproject(アットマーク)p.u-tokyo.ac.jp

CASEER協力研究員Wesley R. Teter博士(共)編、北村センター長第15章執筆の「HANDBOOK OF EDUCATION POLICY」が出版されました。

2023.04.03
HANDBOOK OF EDUCATION POLICY

 

 

編集者

Gerard A. Postiglione(香港大学名誉教授、名誉教授)

Christopher J. Johnstone(米国ミネソタ大学准教授)

Wesley R. Teter(CASEER協力研究員)

 

出版社 : Edward Elgar Publishing

 

 

ご購入についてはこちらから

リーフレットをダウンロード

 

 

‘ポスティリオーネ、ジョンストン、テターが編集した新しい『教育政策ハンドブック』は、COVID-19パンデミックの後における教育政策の変革に関する学術文献に歓迎すべき追加である。よく研究されたこの本の22の章は、教育政策が根本的に変化した世界にどのように適応しなければならないかについて包括的な分析をしています。各章の著者は、テーマ別の作品と幅広い国々からのケーススタディを巧みに組み合わせることで、公共価値ガバナンスや知識の民主化など、不確実な時代におけるイノベーションと説明責任を促進できる新しい教育政策の概念を取り入れるよう、我々に挑戦しています。ジェラルド・ポスティリオーネ、クリストファー・ジョンストン、ウェスリー・テターの3人は、世界中の政策立案者に影響を与え、より持続可能で革新的な教育政策を立案・実施する可能性を秘めたこの優れた学術的貢献を祝福されるべきである」。

– ジャミール・サルミ、ディエゴ・ポルタレス大学、チリ

 

このハンドブックは、世界の教育政策について、最新の概要と理論に基づいた分析を兼ね備えています。博学で、洞察力に富み、独創的である。教育政策の研究者にとって重要な資料となり、どの地域の学生にとっても優れた出発点となるであろう」。

– スティーブン・ボール、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン、イギリス

 

この洞察に満ちたハンドブックは、世界の教育政策に欠かせないガイドブックです。地政学の変化、気候変動の激化、経済的不平等の拡大が続く中、情報に基づいた教育政策の必要性は極めて重要である。

 

本書は、20カ国以上の学者や実務家によるユニークな国際的ケーススタディを集め、教育政策とその実施の文脈的性質が、グローバルなトレンドとローカルなニュアンスの両方をいかに認識するものであるかを強調しています。各章では、COVID-19パンデミックの国際教育政策への影響、ウクライナ社会における学問の近代化の機会、韓国と日本の大学におけるジェンダー平等、インド、南アフリカ、ウルグアイなど発展途上国におけるインクルーシブ教育政策など、現代の主要なトピックを探求しています。さらに、政府、非政府、グローバルな教育専門家が、公平性に焦点を当てた新しい議題を形成し、世界的な危機に対応している方法について論じています。

 

パンデミック後の世界における教育政策について新たな視点を提供する本書は、教育政策、政治・公共政策、社会学、大学経営などを学ぶ学生や研究者にとって、重要な一冊となるでしょう。また、教育研究団体やユネスコ、アジア開発銀行、世界銀行などの国際開発機関にとっても有益であるといえます。

 

目次

Foreword xvii

List of abbreviations xix

 

1 Handbook of education policy: international perspectives in a pandemic age
Christopher Johnstone, Gerard A. Postiglione and Wesley Teter…………………………… 1

2 Conceptualizing global educational policy-making in a (post)COVID-19 world: the past as prologue?
John C. Weidman…………………………………………………………………………………. 14

3 Education policies during the COVID-19 pandemic: scope, efficiency and gaps
Suguru Mizunoya, Garen Avanesian, Sakshi Mishra and Yixin Wang…………………….. 31

4 From the revolution of dignity to a revolution of academic excellence?Paths taken and not taken in Ukraine
Anatoly Oleksiyenko……………………………………………………………………………… 51

5 A complexity theory lens for education policy and its implications
Elizabeth Anne Eppel…………………………………………………………………………….. 68

6 Public value governance
Trygve Throntveit………………………………………………………………………………… 81

7 Investing in education for the common good
Mona Khare……………………………………………………………………………………….. 99

8 Fostering knowledge democratization even against prevailing policies:
blurring boundaries of responsibility
Rodrigo Arocena………………………………………………………………………………… 116

9 Policy enactment and innovation: the role of local actors
James H. Williams and Priyal Gala…………………………………………………………… 129

10 Where is the school going? International trends in educational innovation
Francesc Pedró………………………………………………………………………………….. 147

11 Accountability for policies: introducing twenty-first-century skills goals into education systems
Esther Care………………………………………………………………………………………. 165

12 Accountability elasticity in relation to US federal legislation at the intersection of race and disability
Kathleen King Thorius and Alfredo J. Artiles……………………………………………….. 181

13 Inter-sectoral challenges in higher education policy: incentivizing cooperation and fairness through co-production
Nopraenue S. Dhirathiti………………………………………………………………………… 196

14 The challenges of organizing a sustainable interdisciplinary university curriculum: a research report on the 2012 Hong Kong broadening reforms
Florian Verbeek…………………………………………………………………………………. 208

15 International cooperation in education through multifaceted partnerships
Yuto Kitamura and Akemi Ashida…………………………………………………………….. 229

16 Education for Sustainable Development (ESD) in the context of transformative education
Philip Vaughter and Shinobu Yume Yamaguchi…………………………………………….. 243

17 Unpacking the impact of inclusion and equity policies in South Africa and Ghana
Reitumetse Obakeng Mabokela……………………………………………………………….. 257

18 Is gender equality a policy matter in Korean and Japanese universities?
Challenges for academics in higher education institutions
Yangson Kim…………………………………………………………………………………….. 273

19 Inclusive education: rhetoric or reality in Botswana, E-Swatini, Ethiopia, South Africa and Tanzania?
Sigamoney Naicker…………………………………………………………………………….. 286

20 Towards social justice and inclusion in education systems
Yulia Nesterova………………………………………………………………………………….. 301

21 Transnational policy-making on social and emotional learning in crisis-affected contexts
Jisun Jeong………………………………………………………………………………………. 314

22 Identity and invisibility in policy enterprises: cases of community colleges and global counterparts
Rosalind Latiner Raby and Edward James Valeau ………………………………………… 334

23 Higher education policies and academic entrepreneurialism: conceptual linkages and a contextual approach
Hei-hang Hayes Tang…………………………………………………………………………… 354

 

東大附属パネル調査 2023年度分析協力者募集【学内向け】

2023.04.03

2022年度より、学校教育高度化・効果検証センター効果検証部門では教育学研究科の院生を対象にした新たな研究プロジェクトを開設いたしました。

プロジェクトの背景

教育高度化・効果検証センター効果検証部門では、東京大学大学院教育学研究 科附属学校データベース管理運営委員会と連携し、附属中等教育学校の教育効果検証を行うために、データベースを活用した研究を進めています。

プロジェクトの目的

上記、データベースを活用して、関心あるテーマの分析を行い、年度末のセンター紀要への論文投稿を目指します(研究期間は2023年7月から2024年1月)。分析・執筆の進捗状況によっては学会誌への投稿も可能です。

応募資格

学校教育ならびに計量分析、教育効果検証に興味・関心があり、自立して研究を遂行できる教育学研究科の修士課程・博士課程(若干名)とします。なお、パネル調査のデータを使用するため、統計解析を行った経験がある人を望みます。

応募方法

2023年5月上旬に説明会(Zoom)を開催し、申請書の提出(5月下旬)、選考結果の通知は6月下旬となります。申請書の内容によって採否を決定いたします。当プロジェクトにご興味がありましたら、説明会の日時ならびにZoomのURLを配布いたしますので、下記担当までご連絡ください。なお、申請書はリンクからダウンロードしてください。

2023年度スケジュール(予定)

4/3(月)効果検証部門院生プロジェクト募集開始
5/10(水)プロジェクト説明会(Zoom(12:15~12:30):日程変更可能性有)
5/31(水)プロジェクト応募〆切
6/21(水)審査結果通知
6/28(水)採択者ガイダンス
7/3(月)研究開始
1/31(水)論文提出〆切

研究応募期間・提出先

5月31日(水)17時までにgsproject(アットマーク)p.u-tokyo.ac.jpに申請書を提出
必ず指導教員の同意を得た上で、申請書類の送付時に指導教員のメールアドレスをCCに入れること

備 考

予算の都合で、昨年度と同様に、謝金をお支払いできるかは未定となりますので、ご留意ください(詳細は説明会にて)。また教育学研究科以外の所属で当プロジェクトにご関心ございましたら、下記、担当までご連絡ください。

問い合わせ先

担当:効果検証部門 特任助教 上野 雄己(うえの ゆうき)
メールアドレス:gsproject(アットマーク)p.u-tokyo.ac.jp

2023年度若手研究者育成プロジェクトの募集を開始しました【学内向け】

2023.04.03

学校教育高度化・効果検証センターでは、若手研究者の支援を目的として、教育学研究科博士課程の大学院生を対象に年1回研究プロジェクトを公募の形で募集し、多様な観点からの研究の実施を支援しています。
今年度は「教育における多様性と包摂性」をテーマとした研究プロジェクトを募集します。

ポスターをダウンロード

2023年度院生プロジェクト募集要項応募用紙リンクからダウンロードしてください。

学生支援チーム(大学院担当)のウェブサイトからもアクセスできます。

研究応募内容

「教育における多様性と包摂性」に関する内容であり、独自性をもった学術共同研究および個人研究

*詳細は応募要項を参照してください。

応募資格

東京大学大学院教育学研究科に在籍する博士課程大学院生(休学中の者は除く)

研究期間

2023年6月より2024年3月まで

研究助成金額

申請額は個人20万円、グループ40万円を上限とする

成果報告

最終報告会での発表

およびワーキングペーパーの執筆

研究応募期間・提出先

5月8日(月)17時までにc-kodoka(アットマーク)p.u-tokyo.ac.jpに提出

※詳しくは、学生支援チーム(大学院担当)のウェブサイトまたは学校教育高度化・効果検証センターのウェブサイトの募集要項・応募用紙を確認してください。
※今年度の特例として押印、署名不要だが、指導教員の同意を得た上で、申請書類の送付時に指導教員のメールアドレスをCCに入れること。

問い合わせ先

学校教育高度化・効果検証センター助教 岩渕

メールアドレス:c-kodoka(アットマーク)p.u-tokyo.ac.jp

2022年度若手研究者育成プロジェクトの募集を開始しました【学内向け】

2022.04.04

学校教育高度化・効果検証センターでは、若手研究者の支援を目的として、教育学研究科博士課程の大学院生を対象に年1回研究プロジェクトを公募の形で募集し、多様な観点からの研究の実施を支援しています。
今年度は「教育における多様性と包摂性」をテーマとした研究プロジェクトを募集します。

2022年度院生プロジェクト募集要項応募用紙リンクからダウンロードしてください。

学生支援チーム(大学院担当)のウェブサイトからもアクセスできます。

研究応募内容

「教育における多様性と包摂性」に関する内容であり、独自性をもった学術共同研究および個人研究

*詳細は応募要項を参照してください。

応募資格

東京大学大学院教育学研究科に在籍する博士課程大学院生(休学中の者は除く)

研究期間

2022年6月より2023年3月まで

研究助成金額

申請額は個人20万円、グループ40万円を上限とする

成果報告

最終報告会での発表

およびワーキングペーパーの執筆

研究応募期間・提出先

5月6日(金)17時までにc-kodoka(アットマーク)p.u-tokyo.ac.jpに提出

※詳しくは、学生支援チーム(大学院担当)のウェブサイトまたは学校教育高度化・効果検証センターのウェブサイトの募集要項・応募用紙を確認してください。
※今年度の特例として押印、署名不要だが、指導教員の同意を得た上で、申請書類の送付時に指導教員のメールアドレスをCCに入れること。

問い合わせ先

学校教育高度化・効果検証センター助教 草彅

メールアドレス:c-kodoka(アットマーク)p.u-tokyo.ac.jp