2026年6月26日(金)に、個人研究型探究学習の指導者を支援する研修の第2回定例会をオンラインで開催し、全国から24校・76名の先生方にご参加いただきました。
第2回のテーマは、「テーマ設定と問い立ての支援」。
冒頭で、上野特任准教授より前回のキックオフの振り返りと研修全体における本日の位置づけについて共有したうえで、個人研究型探究学習におけるテーマ設定や問い立ての支援について、CASEERから以下の2つの情報提供を行いました。
【1】個人研究型探究学習におけるテーマ設定
本学教育学研究科修士課程・博士課程で学び、現在は民間企業で探究学習プログラムの開発も行っている福島創太特任研究員より、探究学習における生徒のテーマ設定が難しくなっている背景や、動機づけの考え方、生徒が自らの関心をもとにテーマを立てていくためのアプローチのヒントを提示。また、多くの先生方が悩まれている一斉指導と個別指導の使い分けに関しても、問い立てのステップや生徒の状態、課題をもとにそれぞれの段階でできることを整理しました。
動機づけの考え方
クリック/タップで拡大・以下同様
アプローチのヒント
一斉/個別指導の使い分け
【2】問い・テーマ設定:“探究ゼミ”の指導経験に基づいて
続いて協力研究員の白山智佳先生(東京大学教養学部技術専門職員)より、前任校の金沢大学附属高等学校での理系の探究ゼミの実践をもとに、生徒が問いを生成するための基盤作りを目的とした事前課題の設定や、問いを深めていく段階での教員との関わりについてのお話がありました。
事前課題では、生徒が個別の問いを設定する前段階で、身近なキーワードをテーマにした実験を経験してもらうことによって科学的なアプローチの基礎を学んでもらうとともに、壮大なテーマではなく身近な問いを深堀することの面白さや価値に気づいてもらい、さらに協働で探究を進めていく人間関係も構築できる可能性があるとのこと。
また、テーマ決定のプロセスにおける生徒と教員の具体的なやりとりをもとに、「様々に迷ったり変えたりしながらテーマを固めていく」、「指示ではなく問いを重ねる」、「生徒同士の対話を活用する」などの経験値が共有されました。
全員が取り組む事前課題の例
事例からうかがえる知見
研修の後半では、ブレイクアウトルームにおける先生同士の感想や疑問の共有を経て、レクチャーに対する質疑や、事前課題で先生方から提示された悩みや試行錯誤について、全員でディスカッションをする時間を持ちました。先生方からは、「問い立ての前段階として、体験や観察、問う姿勢の獲得が必要だと感じた。それにはどのような活動が効果的なのだろうか?」、「“自分の興味”、“社会的意義”、“実現可能性”などの要素のバランスを取ることが難しい。どう考えたら?」といった質問や意見が出され、参加者とCASEERスタッフを交えて活発な意見交換が行われました。
研修終了後にも、延長戦として自由交流の時間を設け、時間が許す方々とともに、議論は尽きませんでした。
本研修は、2026年3月まで全11回にわたって月次で開催され、個人研究型探究学習に関する重要なトピックについて深く掘り下げ、各校の実践につなげていきます。次回は7月31日(金)に、「高校段階で取りうる研究の方法論」をテーマに開催される予定です。
文責:CASEER・林 知里







